一般的に“同族承継”は難しいといわれる。
社長と常務、上司と部下という関係以前に、
父と息子になってしまうからだ――。
現在信越地域で焼肉店を7店舗運営する『三夢株式会社』は、
創業者の兄・児玉芳和氏が亡くなられたのち、
当時常務だった弟・児玉嚴氏が社長に就任。
そして当初5年後とされていた承継時期を大幅に前倒し、
わずか1年半で嚴氏のご子息である児玉正臣氏へと事業承継されたのだった。
お兄様とともに志を持って切り拓いた道、歩んできた道、
その道を今度はご子息に受け継ぐ……。
そこには、会社・社員・そしてご家族への深い愛情ゆえの
並々ならぬ逡巡と葛藤があった。
今号は『三夢株式会社』の事例を通じて
継がせた父と継いだ息子、それぞれの葛藤に焦点をあてる。